現代の軽自動車の主流となっている、軽ワゴン・ハイトワゴン。
各メーカーが各々、多彩なモデルを打ち出しています。
など、このジャンルには多くのモデルがひしめき合っています。
そして、これらのワゴン系軽自動車は全て、約20年前に登場したワゴンRから派生しているのです。
当時はKING of 軽 の異名を飾ったワゴンRですが、巷の噂では、ここ数年は他の追従モデルに販売台数で後れを取っているとか。。。
そこでSUZUKIが王座奪還のために作り上げた5代目ワゴンRは、「デザインの大幅な変更3種類のフロントマスクでランナップ」としています。
・・・が、、、
私は、一目でワゴンRと分かるデザインだと感じました。
しかし、それは決して冒険のないコンセプトキープではなく、よく見ると他のモデルにはない様々な試みを取り入れながら、それでもワゴンRと言う名前で引き継がれて来た遺伝子はしっかり残っている外観となっています。
そもそも、軽自動車という限られたサイズの中で、軽ワゴンに求められる室内空間を確保しようとすると、デザインの許容範囲は限られ、どのモデルもある程度は似たようなフォルムになることは仕方ありません。
その制限の中で、新型ワゴンRは街中で見かけたときに明らかに印象に残る外観を持っています。
特に太くてリアに向けて傾斜したBピラーはすれ違った瞬間に人の目に印象を焼き付ける事となりそうです。
(Bピラー内側にはアンブレラホルダーを備えています)
さて、さっそく乗り込んでみると、低めに傾斜したダッシュボードと、水平基調のインタリアデザインで、運転席からの視界は非常に開放的な印象を受けます。
特にメーター類がセンターに配置されたおかげで、運転者の前方は本当にクリアーな印象です。
・・・で、エンジンをスタートしてみると、、、
おわっ!! なんか出てきた!
おもむろに透明なパネルがダッシュボードからせり上がってきます。
これは、MAZDA車が全車に搭載している”ヘッドアップディスプレイ” ではないか。。
ダッシュボード上の透明なパネルに、速度・ナビゲーション情報など、運転中にもっとも必要とする情報を投影して、前方から視線を外すことなく確認できる機能なのです。
そういえば、MAZDAの軽自動車は全て、SUZUKIの軽にエンブレムを取り換えてマツダブランドとして販売しているのでした。
MAZDAは車体の供給を受けるのと同時に、こうした技術を提供しているんですね。
このヘッドアップディスプレイは、実はなんだか『目新しさだけの子供だまし』と考えていましたが、実際に使ってみると非常に優れた機能だという事がわかります。
運転中のちょっとした視線移動がなくなるだけで、ドライビングは圧倒的に楽になります。
今回試乗したグレードはFX。
マイルドハイブリッドエンジンを搭載したモデルとなり、燃費は驚きの33.4Km/l 。
従来のSUZUKIのマイルドハイブリッドは、すべてモータによりエンジンアシストに徹していましが、今回のワゴンRからはクリープ走行時だけですが、モーター単独での走行も行います。
減速時・発進時のブレーキペダルから足を離し、アクセルペダルを踏みこむまでの間の極短い時間ですがモーター単独で走行します。
副変則機能を持つCVTと約800Kgしかない車重のおかげで、発進はとてもスムーズに加速していきます。
加えて、驚いたのが足回りに完成度の高さです。
実は、このワゴンRの試乗の前に、スイフトRStを試乗したのですが、、、
サスペンションに関してはRStとそれほど大きな遜色を感じなかったということです。
もちろん、軽ですのでホイールベースも違えばボディ各部の剛性も限界がありますので、乗り味の高級感はRStにかなうはずはないですが、
軽自動車でここまでやるか!
と感動する足回りに仕上がっていました。
SUZUKIというメーカーがワゴンRというモデルにどれほど思い入れがあるのかがしっかりと伝わってきます。
そのほか、一部オプションにはなりますが
カメラとレーダーでの衝突回避機能
誤発進抑制機能
車線離脱警報
ふらつき警報
ハイ・ロービーム自動切換え
ヒルホールド
など、 すでに各社各モデルで周知の安全機能ですが、しっかりと装備しています。
数年前では高級車の特権だったこうしたハイテク機能が、いまでは軽自動車でも装備できる時代になりました。
私の世代では、軽 = 経済性を重視した実用車 という時代に育ちましたが、
現代の軽自動車は言うまでもなく、プレミアムなモデルが多数存在します。
そうした新時代軽自動車のパイオニアであるワゴンR。
5代目のそれは、再度軽自動車を次の時代にけん引する予感を秘めた1台だと感じました。
そのデザイン。 その乗り味。 その使い勝手。
是非当社の試乗車で体感してみてください。